9月27日に事実上の次の首相が選ばれる自民党総裁選で、衆院の解散時期をめぐる議論が白熱しています。有力候補の一人である小泉進次郎氏が「できるだけ早期に解散する」と繰り返し、国会での野党との論戦を抜きに、10月初めにも解散に踏み切る構えを見せているからです。
2006年9月に退陣した小泉純一郎内閣の後、自民党総裁選は1~3年ごとではありますが、毎回9月に実施されています。そこで選ばれた新たな総裁がただちに首相となったのは、06年の安倍晋三氏、07年の福田康夫氏、08年の麻生太郎氏、20年の菅義偉氏、21年の岸田文雄氏です。
特にいま、キングメーカーと目されている麻生、菅、岸田の各氏の政権と解散戦略を振り返ると、あるジンクスが浮かび上がります。
小泉政権を引き継いだ安倍政権(第1次)、その後の福田政権、麻生政権は、いずれも1年の短期政権に終わりました。
新政権発足直後の解散が取り沙汰されたのは、麻生政権誕生前夜です。「国民的人気」が高いともてはやされた麻生氏を「選挙の顔」に押し立て、新内閣や自民党の支持率が高いうちに早期解散に踏み切る、との観測が広がりました。
しかし、政権発足当日の9月24日と翌25日に実施した朝日新聞社の世論調査では、内閣支持率は48%で、不支持率は36%でした。発足直後の支持率としては、安倍内閣の63%どころか、福田内閣の53%にも及びませんでした。さらに、いわゆるリーマン・ショックの広がりに加え、「日教組が強いところは学力が低い」などと発言した中山成彬国土交通相が辞任。政権はスタートダッシュに失敗しました。
麻生政権は早期解散を見送り…