自民党の裏金事件に端を発する「政治とカネ」の問題をめぐり、朝日新聞は同党の国会議員(昨年12月時点)が代表の政党支部に献金する企業を対象にアンケートを行った。回答した258社のうち、寄付の目的は「議員個人の応援」とする回答が165社に上り、出席予定のない政治資金パーティー券を買う企業も多かった。政治家個人への企業献金は法律で禁じられているが、政党支部への献金とパーティー券購入という二つの「抜け道」によって骨抜きになっている実態が改めて浮かび上がった。
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アンケートは1月22日~2月2日に行った。昨秋公表の政治資金収支報告書から、自動の文字認識機能などで特定した約7500社(株式会社・有限会社)にはがきで依頼し、インターネットで回答を集めた。回答した258社のうち91社を建設業が占め、小売・卸売業と製造業も多い。
寄付の目的(複数回答あり)に「政党の応援」を挙げたのは79社、「政党や議員側の依頼」が77社で続く。「議員側との関係構築」「業界・地域の慣行」も多かった。寄付のメリット(複数回答あり)は「とくにない」が124社で、「議員個人の活動の後押し」が続いた。
議員個人の応援理由としては「人柄と政治理念に賛同」(鹿児島・サービス業)「地域の発展に地元議員が必要」(茨城・建設業)などの声がある一方、「友人に頼まれて断りにくかった」(石川・サービス業)「取引先の依頼で、断って仕事に影響が出ると困る」(栃木・建設業)といった消極的な理由も聞かれた。
企業献金のあり方については…