【動画】人手不足が深刻化している日本。さまざまな職種で、外国人労働者が増えている
【連載】となりの外国人 「29人に1人」の現場
日本で働く労働者のうち、外国人の割合が「29人に1人」まで高まっています。漁業、宿泊業、介護、製造業……。全国の現場を訪ねると、あらゆる業界で日本人だけでは賄い切れなくなっている実態が見えてきました。
カキ養殖のいかだが並ぶ瀬戸内海の島には今、「見えない三つの壁」がある。広島県江田島市の土手三生(さんせい)市長は8月上旬、地域の実情をこう表現した。
「先入観の壁、価値観の壁、言葉の壁。日本人市民の心の中にある壁を取り除くには、課題はある。バラ色ではない。でも、外国人のお力を借りないと成り立たない」
危機感の背景には、市内のカキ養殖会社で2013年3月、中国籍の技能実習生が社長ら2人を殺害、7人に重軽傷を負わせた事件があった。
この実習生について、判決は「職場に中国人がいない寂しさや、思うように稼げなかったことなど色々な問題を抱えていた」と指摘。弁護人の一人は「たまっていたストレスが爆発した」と振り返る。
事件から12年あまりたち、外国人を取り巻く環境は、どう変わったのか。
当時約520人だった市内の…