3年前の東京五輪・パラリンピックでは少なくともボランティア向けの弁当30万食が廃棄され、大量の食品ロスが出ました。食品ロスジャーナリストの井出留美さんは、「予想通りの結果」だったと言います。今夏のパリ五輪・パラリンピックの開催を前に、東京での反省を振り返り、パリへの視点を聞きました。
全3回で配信した「人をつなぐ食品寄付 フランス フードバンクの今」。番外編として、フランスで開幕が迫るパリ五輪・パラリンピックでの食品ロス対策の取り組みを取り上げます。専門家にフランスへの期待や日本の特徴を聞きました。
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――東京五輪・パラリンピック前の2016年に出版された著書「賞味期限のウソ」では、「選手向けの食事は大量に廃棄されるだろう」などと、東京での食品ロスの発生を悲観的に書いておられます。結果をどう見ますか。
予想通りでした。私が把握している食品ロスは、ボランティア向け弁当、選手村のビュッフェ、海外メディア用に用意した食事の三つです。ボランティア向け弁当は、TBSが「13万食廃棄されている」という報道をしました。その後、会計検査院の報告では、廃棄は弁当30万食と増えました。選手村のビュッフェで手を付けられなかった食品は175トンでした。
他にも、あるスーパーでは…