米大統領選に向けた討論会が高齢への不安を広げる結果に終わり、バイデン大統領(81)の「交代論」がにわかに注目を集めはじめた。11月の選挙まで数カ月というこの時期に、民主党が代わりの候補を擁立することは現実的なのか。今後見込まれる展開を解説する。
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バイデン氏が自ら立候補を断念するか
最も重要なのは、バイデン氏が、選挙戦からの撤退を決断するかどうかだ。本人が身を引かない限り、別の候補者が割り込む余地はほとんどない。
民主党はすでに、党内で候補者を選ぶ予備選を終えている。2月以降に各州で実施された投票では有力な対抗候補は現れず、バイデン氏が圧倒的な得票で信任を得た。AP通信の集計によると、これまでにバイデン氏は3937人中3894人の代議員を獲得している。
8月19~22日にはシカゴで党全国大会が予定されており、通常はここで全国から集まった代議員の投票により、正式に党としての候補者を指名する。
代議員は、各地域から選ばれた地元の党幹部が務める場合が多い。党員の思いを託された立場にあり、勝手にバイデン氏以外に投票することは党の規則で禁じられている。このままならバイデン氏の圧勝は確実だ。
バイデン氏が撤退すれば、後任選びが始まる
ただ、仮にバイデン氏が自ら…