Smiley face
飼育されているウズラ=豊橋養鶉農業協同組合提供
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 今年2月に福岡県内で起きた小学校の給食事故を巡り、ウズラ卵の有数の産地で生産農家や加工業者が苦境に立たされている。のどを詰まらせた原因の食材とされており、学校給食で使用を見合わせる動きが相次ぐ。卵の生産量の6割超を占める愛知県内では、在庫が増え、一部では親鳥を減らす動きも出ている。

 県内一の生産量を誇る豊橋市の市役所に24日、「うずら卵の水煮」(10個入り)が24袋入った212箱が次々に運び込まれた。

 「食べて応援」の一環だ。国内唯一のウズラ専門農協「豊橋養鶉(ようじゅん)農業協同組合」(豊橋市)で加工したウズラ卵の水煮が7月中下旬に賞味期限を迎える予定。市に相談したところ、市職員や市議に呼びかけ、有志が購入して応援することに。呼び掛けに応じたのは市役所内計70部署余りで、在庫を上回る注文が寄せられたという。

 市広報広聴課の伊藤理恵さん(41)は「農家が困っているなら、おいしく食べて応援できれば」と5袋購入した。

 ウズラ農家でもある同組合の幡野真也理事(46)は、「企業努力で頑張ってはいるが、対応し切れない部分にご協力いただき、非常に感謝しています」と述べた。

 愛知県によると、2023年現在、県内では19農家(23農場)が約265万羽のウズラを飼育。卵の生産量は全国の6割以上を占める。中でも豊橋市は5農家(8農場)で約173万羽のウズラを飼育し、卵の生産量も県内一の産地という。

 同組合によると、今年2月に起きた給食事故をきっかけに、4月以降、入札で落札したのに使用を見合わせる自治体が九州や関西、首都圏などで相次いだ。

 例年1カ月で約100万個の…

共有