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藤井聡太名人が初防衛 終局後の記者会見【第82期将棋名人戦・第5局】

昼食休憩後の藤井聡太名人=2024年5月27日午後0時59分、北海道紋別市、相場郁朗撮影
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 藤井聡太名人(21)=竜王・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖と合わせ八冠=に豊島将之九段(34)が挑戦した第82期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第5局は27日、北海道紋別市の「ホテルオホーツクパレス」で2日目が指し継がれ、午後7時49分、藤井名人が99手で勝利。シリーズ成績4勝1敗で自身初の名人防衛を決めた。

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 昨期、20歳10カ月で初の名人位を獲得し、谷川浩司十七世名人(62)の最年少名人記録(21歳2カ月)を塗り替えた藤井名人にとって、初の防衛戦だった。

 挑戦者は、第77期以来、2期目の名人への復位を目指す豊島九段。AI(人工知能)を駆使した研究に裏打ちされた最新流行型で戦うことが多かった豊島挑戦者が、今回は、あまり定跡が整備されていない力戦の将棋を志向した。藤井名人は第1、2局で苦戦したが、いずれも逆転勝ち。これでシリーズの流れをつかみ、第4局は敗れたが、第5局で豊島挑戦者の振り飛車を破り、防衛につなげた。

 今回の防衛で、谷川十七世名人が保持していた名人防衛の最年少記録も約40年ぶりに更新し、タイトル獲得数は歴代6位の22期(名人2期、竜王3期、王位4期、叡王3期、王座1期、棋王2期、王将3期、棋聖4期)となった。

 藤井名人は愛知県瀬戸市出身・在住。杉本昌隆八段(55)門下。2016年にプロ入りし、史上5人目の「中学生棋士」に。デビュー戦から29連勝という新記録を樹立し、藤井ブームを巻き起こした。昨年10月には、将棋界の8タイトルを独占する「八冠」を達成した。その後、竜王戦七番勝負(4勝0敗)、王将戦七番勝負(4勝0敗)、棋王戦五番勝負(3勝0敗・1持将棋〈引き分け〉)、そして今期の名人戦と、タイトル防衛を続けている。(佐藤圭司)

藤井名人「結果を出せたことはよかった」

 藤井名人の話 (今期名人戦は)駒組みから手探りになる将棋が多く、形勢判断や構想の立て方に課題が残った。反省点もあったが、何とか防衛という結果を出せたことはよかった。これからも対局が続くので引き続き精いっぱい頑張りたい。

豊島挑戦者「手応えはあまりない」

 豊島挑戦者の話 (今期名人戦は)序中盤で均衡を保つのが難しく、不利になることが多かった。手応えはあまりない。名人戦の経験を生かし、今後も頑張っていけたら。どういう将棋をこれから指すかは名人戦を振り返りながら考えたい。

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