中国の江蘇省蘇州市で昨年6月に日本人学校の送迎バスが刃物を持った男に襲われ、3人が死傷した事件で、蘇州市の裁判所から死刑判決を言い渡された被告の男が控訴をしなかったことが7日、在上海日本総領事館への取材でわかった。中国側から同日、総領事館に説明があったという。
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男は周加勝被告で、バスを迎えにきていた日本人の母子を負傷させ、案内係の胡友平さん(当時54)を殺害したとして、故意殺人罪で1月23日に死刑判決を受けていた。判決は動機を「借金苦」としたが、公判で日本人を狙った犯行かどうかの言及はなかった。
市の裁判所は日本の地裁にあたる。中国の刑事訴訟法では、死刑判決の場合、控訴しない場合でも上級審で再審査が行われることになっており、省の裁判所で審査が行われているとみられる。