高い独立性を守るため、身分が手厚く保護される裁判官。その職を奪う例外的な手段である弾劾(だんがい)裁判の結論を決める「評議」が、3時間で終わっていた。評議の実態が明らかになるのは異例だ。
- 【そもそも解説】弾劾裁判ってなに? SNS投稿の是非問うのは初
- ネット巧者だった「白ブリーフ裁判官」 職を賭した法廷で語った過ち
「裁判官の威信を著しく傷つけたと思う。罷免(ひめん)するべきだ」
「私はまだ迷っている。もう少し考えたい」
昨年2月28日、午後4時過ぎ。裁判官役を担った複数の国会議員への取材によると、12人の衆参議員が東京・永田町にある「裁判官弾劾裁判所」の一室で、判決内容を決める非公開の「評議」をした。
打ち切られた議論「これ以上話すことない」
弾劾裁判は、著しく不適切な行為をした裁判官を辞めさせるかを判断する手続きだ。対象になったのは、仙台高裁判事の岡口基一氏(58)。SNSの投稿で殺人事件の被害者遺族を傷つけたなどとして責任を問われていた。
「結論は悩ましいが、罷免すべきだと思い始めている」
「ギリギリで罷免に当たらないのではないか」
「(岡口氏に)反省がない…