イスラエル首相府は21日、ネタニヤフ首相の提案を受け、国内諜報(ちょうほう)組織「シンベト」のロネン・バー長官の解任を内閣が満場一致で承認したと発表した。ただ、同国の最高裁判所は21日、解任の一時差し止めを命じており、先行きは不透明だ。
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シンベトは現在、ネタニヤフ氏の側近がカタール政府から資金提供を受けたとされる疑惑について調査中だと報じられており、決定には批判の声も上がる。
イスラエルメディアのタイムズ・オブ・イスラエルは、政府による国内治安機関トップの解任は同国史上初と伝えた。ネタニヤフ氏は2023年10月のハマスの大規模攻撃以降、バー氏への信頼が失われたとし、閣議で同氏について「弱腰」で、「組織の再建に向けて適切な人物ではない」と主張したという。
閣議決定に先立ち、バー氏は閣僚に宛てた書簡で、長官の解任は進行中の調査を危険にさらすもので、国の安全保障にとって危険だと主張した。
戦時内閣の一員だったガンツ元国防相は、内閣の決定は「永遠の恥辱として記憶されるだろう」と述べ、批判した。