金融庁が三菱UFJ銀行に対し、銀行法に基づく報告徴求命令を近く出す方針を固めたことがわかった。同行では行員による十数億円相当の窃盗事件が発覚しており、加藤勝信金融相は13日の閣議後会見で、同行に原因究明や再発防止策などを求めていく考えを示した。
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同行は11月、貸金庫の責任者だった行員が2020年4月~24年10月、都内2支店で貸金庫から現金や金、宝石などを盗んでいたと発表。被害者は約60人、被害額は時価十数億円にのぼる。
同行のルールでは、貸金庫を開ける際は管理職の許可をとって複数人で行うことになっているが、支店の貸金庫の管理責任者だった元行員は、その立場を利用して顧客に無断で貸金庫を開けていたという。
金融庁は長い間被害に気づかず、貸金庫の管理体制に問題があったことを重くみて、事実関係や原因究明、再発防止策などについて報告を求める。
加藤金融相は会見で「顧客の信頼のうえで預金や財産を預かるのが銀行業。こうした事案が発生したことは大変遺憾」との認識を示し、「金融庁としても適切な対応が講じられるように、しっかりフォローアップしてきたい」と語った。