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盛りを過ぎた花を摘み取り、新しい芽を出させる花柄つみ。週1回ほど行われている=2024年12月2日、東京都調布市の都立神代植物公園
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 澄んだ空気に乗ってバラの芳醇(ほうじゅん)な香りが運ばれてきた。東京都調布市にある都立神代植物公園。約50万平方メートルの広大な敷地の公園内にある「ばら園」には、野生種や大輪の花を咲かせるモダンローズ、最新の品種まで約400種類、5200株が植栽され、その規模は都内最大だ。

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 寒さが増してきた12月の午前、担当職員の小川泰樹さん(56)は、盛りを過ぎたバラの花を摘んでいた。次の芽を出すために欠かせない作業だ。休園日のこの日、外部の業者や作業用の車両が入り、園内では作業する姿があちこちに。「休園日こそ、フル出動で植物の手入れにあたります」

60年以上たつ古株も健在

 1959年、米ロサンゼルスから日米親善の証しとして約80種類のバラが東京都に贈られ、その2年後、都内唯一の植物公園として整備されたのが同園だ。60年以上たった今も、当時贈られた「フロッグ」や「ファンファーレ」などの古株が色鮮やかに美しい花を咲かせるのは世界的に見ても珍しいという。

 そんなバラ園を支えるのは…

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