26日に投開票される静岡県知事選をテーマに静岡大生を対象にしたアンケートで、知事選に「関心がある」と答えた学生が「非常に」と「ある程度」を合わせて7割にのぼった。一方、「選挙に行く」と回答した割合は5割にとどまった。
アンケートは静大人文社会科学部法学科の政治学ゼミに所属する学生11人が今月7~10日、1~4年生を対象にインターネットで実施。153人の回答を得た。
関心度合いを尋ねた設問では「非常に」が19・7%、「ある程度」が50・0%だった。投票意欲の設問では48・7%が「行く」と答えたが、「行かない」は41.4%、「分からない」は9.9%だった。「行かない」と答えた学生に理由(複数回答)を聞くと、「住民票を移していない」が79.5%を占めた。3年生の穂積彩花さん(20)は「大学進学や就職に伴う引っ越しを機に選挙に行かなくなり、若者の低投票率につながっているのでは。大学生や新社会人への主権者教育が重要」と話す。
候補者に期待する政策(複数回答)では、「経済」(55.1%)▽「リニア中央新幹線への対応」(53.7%)▽「教育・子育て」(53.1%)がいずれも5割を超えた。「浜岡原発問題」(8.2%)や「浜松市の新県営野球場建設」(4.1%)を挙げた学生は相対的に少なく、ゼミ生は「大きな話題となっているリニアや近い将来の問題への関心が高い」と分析している。
リニア問題に対する考えで最も多かったのは、「慎重に推進すべき」(47%)で、「推進すべき」(17.9%)を合わせると6割を超えた。「必要性をあまり感じない」は26.5%、「反対」は6%だった。
投票先を決める際に重視するもの(複数回答)では、「公約」(74.7%)が最多で、「能力」(52.1%)、「人柄」(43.2%)と続いた。「候補者の出身地や居住地」を重視すると答えたのは6.2%にとどまった。
「知事に求める資質」では、「調整力・バランス感覚」と「県民の声を聞く力」がそれぞれ4割で、「リーダーシップ・決断力」は2割弱にとどまった。
川勝平太前知事は国や県議会との対立が取りざたされることも多く、ゼミ生側は「今回の調査に影響を与えたのではないか」とみている。
このほか、アンケートでは政治への信頼度や主権者教育、SNSを使った選挙情報の入手などについても質問した。
調査結果は今月28日まで同大付属図書館(静岡市駿河区)で展示している。(青山祥子)