東京芸術大と香川大が香川県東かがわ市引田の古民家を拠点に、新たなまちづくりプロジェクト「ぐんだらけ」に取り組むことになり、2日にキックオフイベントがあった。
両大学は、香川大が高松市庵治町に昨年開設した地域型研究拠点「芸術未来研究場せとうち」を足場に、芸術・科学技術分野での連携を進めている。「ぐんだらけ」もその一環で、江戸時代末期に建てられ、医院や書店だった登録有形文化財の松村家住宅を拠点に2028年まで活動する。「だらだらおしゃべりする」ことを意味する引田の方言から名付け、拠点名も「ぐんだら家」とする。
この日は、両大学関係者や住民らが拠点に集まり、リーダー役の宮崎晃吉・東京芸大特任准教授が上村一郎市長と対談。東京・谷中で古民家をゲストハウスなどにリノベーションするプロジェクトに取り組む建築家でもある宮崎さんは「貴重な古い町並みを生かし、地域住民とビジネスを生み出したい。拠点に住民が気軽に立ち寄れるよう、アートイベントも開きたい」と話した。
今後は、東京芸大生の馬場悠輔さんらが、2月末から引田で開かれるひなまつりイベントに参加する。香川大医学部の芳我ちより教授は、看護学科の学生が住民に聞き取り調査を行い、住民の健康を増進させている地域の特徴を探る計画を示した。
さらに、今年開催の瀬戸内国際芸術祭で会場となる引田地区に作品を作る東京芸大出身の若手アーティスト3人も抱負を述べた。