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カエデの木で本体を作った万華鏡=2024年9月13日午前11時24分、鳥取市、富田祥広撮影
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 のぞき穴の向こうに広がる美しくて不思議な世界。くるくる回せば、ころころと模様が変わり、やめどきが分からない。

 「まさに〝万(よろず)〟です。同じ模様を見ることは、まずないでしょうね」。万華鏡作家の西垣誠さん(72)=鳥取市=がにっこりと笑った。

 生まれ育った鳥取市の工業高校を卒業し、京都で機械メーカーに就職。10年後に故郷に戻り、電子機器関連会社に60歳の定年まで勤めた。

 「会社を退職したら、まったく違うことをしたいと思っていました」。62歳の時、東京・銀座の通りを歩いていて、ふらりと入ったのが万華鏡専門店だった。会話を交わした店員の言葉が、それから歩む道への扉をあけた。《鳥取には万華鏡の作り手がいないんじゃないでしょうか》

略歴

1952年生まれ。32年間勤めた会社では海外拠点の代表や本社の取締役などを歴任した。定年退職して12年。制作に打ち込む時はエプロン姿だ。「スーツとネクタイより、Tシャツにエプロンのほうがすっかり落ち着くようになりました」

 退職後も、ものづくりをコツ…

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