埼玉で働いている樫平博子さん(43)は、燃えたぎるような思いで過ごしたあのころのことが、今も自分の心の支えになっていると思う。
高校で仲間とともに打ち込んだギター・マンドリンの部活動。思い出しても鳥肌がたつような、情熱の日々だった。
そんな樫平さんが、同じく「ギタマン」を愛した人たちへ向けて書いた手紙のような詞が、全国の中高生に歌い継がれている。
どんな毎日を過ごしてますか あの日送ったあの音を あなたは今でも覚えてますか
連載 ギタマン♪
その深淵なる世界の特集です。
樫平さんは、兵庫の姫路西高校に進学してほどなく、「ギタマン」の世界に出会い、どっぷりとハマった。
ギターの深い響きや、マンドリンのきれいな音色が一つになり、音楽がつくられていく。ギター・マンドリン部には「伝えたいという思いが人一倍、百倍ある人たち」が集まっていた。
夏に大阪で開かれる全国大会が近づくと、練習に一層熱が入る。入学してからギターを始めた樫平さんも、舞台に立つことになった。
だが、大会の直前に西日本を…