登山と法律は一見、なじみが薄いようなテーマに思えるかもしれません。しかし、警察や消防の救助隊が遭難者を救助するのはボランティア活動ではなく、法律が根拠になっています。最近は、富士山で入山料が導入されたり、一部の県で登山届の提出が義務付けられたりしているのは、条例で定められているからです。
(この記事は2026年10月4日に朝日新聞信州版に掲載されたものです)
登山をきっかけに危機感
山好きの弁護士、安藤雅樹さん(48)=長野県松本市=が「山の法律相談所」(山と溪谷社)を出版しました。登山をめぐる法律や条例、いわゆる法令を学ぶため、登山者必読の1冊です。
3年前の夏、安藤さんは、松本市から間近に見える常念岳(2857メートル)に初めて登りました。長野県安曇野市出身で、子供のころから親しんだ山。北アルプスを代表する名峰と思っていたのですが、稜線(りょうせん)鞍部(あんぶ)の常念乗越(のっこし)に出ると槍・穂高連峰など壮大な絶景に驚きました。北アルプスは常念岳の奥にも広がっていたのです。以来、登山に魅せられて県内の山を中心に毎週、単独で日帰り登山を楽しんでいます。
登山を続けるうち、富士登山の規制のニュースに興味と危機感を持ちました。入山料の導入に続いて冬の入山規制です。
富士山の規制、ほかの山にも?
「本来、登山は自由に楽しめ…


