三重県名張市の女声合唱団2団体が8月9日、「戦後80年 平和への祈り」と題したコンサートを同市松崎町のadsホールで開く。長崎に原爆が投下された日を選び、歌を通して戦争や平和を考える機会にしてほしいという。
2団体は、今年創立35年目を迎える「ひまわりコーラス」と30年目の「女声コーラス秋桜(コスモス)」。名張、伊賀両市の50~80代の女性計45人でつくる。これまでも戦後60年や70年の節目に合同でコンサートを開いてきた。
広島原爆をテーマに美空ひばりが歌った「一本の鉛筆」や、戦争孤児を描いたラジオドラマ「鐘の鳴る丘」の主題歌、平和を願って作られた「青い空は」などを披露するほか、第1次世界大戦中に欧州・西部戦線であった「クリスマス休戦」を描いた絵本「戦争をやめた人たち」の朗読、アコーディオン奏者による昭和歌謡演奏などがある。
2団体の結成時から指導・指揮する元小学校教諭の富永智江子さん(87)は京都から名張に疎開し、終戦の年に病気で父や弟を相次ぎ亡くした。「戦後80年は世界にとって意味のある年。大勢に来てもらい、平和の大切さを共感してほしい」。実行委員会の大井恵子委員長(70)は「世界各地で戦争が起きる中、私たちが何をすべきか、しっかり考える場になれば」。
午後1時半開演で1時間半~2時間程度。入場無料。問い合わせ先は大井委員長(090・2136・3057)。