寅子が「はて?」なら、よねは「はぁ?」。
日本初の女性弁護士・判事をモデルにしたNHK連続テレビ小説「虎に翼」では、常識を疑いながら道なき道を進む女性たちの姿が描かれています。主人公・寅子の大学の同期で、弁護士を目指すよねもその一人です。
「言いたいことは言っていい」「コミュニケーションをあきらめたくない」。演じる土居志央梨さんは、よねや登場人物たちからそんなメッセージを受け取ったといいます。
セリフの裏に別の気持ち
――男装する役柄は初めてとのこと。どのように役作りをしましたか。
特別になにか意識したというよりは、衣装を着て、髪の毛を切ってセットしたら、自然とピシッとなるといいますか。自分でもびっくりしました。座ったときも、無意識に足が開いています。よねの格好で内股だと、なんとなく恥ずかしい気持ちになるんですよね。
よねは「女をやめた」と言っている人物なので、この雰囲気に似合う声がいいと思って。胸からしゃべることは意識しました。
――内面的な部分では、どんなことを意識していますか。
よねは複雑なキャラクターで、セリフのすべてが本心というわけではありません。思っていることと言っていることが、正反対のこともある。セリフとよねの感情は別のものとしてとらえていますし、ひどいことを言っていても、別の気持ちが隠れているんじゃないかと常に考えています。
第3週でよねが過去を語りますが、本来は自分のことをぺらぺら語る人ではないはずで。最初は、なんでこんなに長いセリフをしゃべるのだろう、と思いました。でも演じていると、よねの分かってほしい気持ちの表れなのかな、と。
みんなと仲間になりたい思いと、「でも分かってくれない」という憤り。そこを隠しきれないのが、よねの未熟さや青さなのかなと思いました。
小さい頃はよねだった? 「虎に翼」土居志央梨さんが歩んだ道
大学生のときに始めた芝居が、自分自身を解放したという土居さん。引っ越し、クラシックバレエ、映画「道」という三つの要素から、表現者としての原点をみつめたインタビューはこちら。幼少期の写真も。
――演じていて、特に心に残っているシーンはありますか。
戦争に入る前、弁護士を辞め…