轟音(ごうおん)とともに南シナ海へと突き進む砲弾。次の瞬間、「敵の水陸両用船」が水柱を上げて次々と爆発していった。
フィリピン最北部・北イロコス州ラオアグの砂丘で5月上旬、米軍とフィリピン軍が「島の防衛」を想定した実弾射撃演習を立て続けに決行した。イスラエル製の自動トラック搭載型榴弾(りゅうだん)砲システム(ATMOS)を配備し、155ミリ榴弾砲やフリゲート艦に搭載した対艦ミサイルなどを放った。
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南シナ海での実射演習は昨年もあったが、今年は演習場所に大きな注目が集まった。米中対立の火種になっている台湾の南端、恒春半島まで約400キロに迫る場所だったからだ。東京―大阪間ほどの距離しかない。

「『台湾有事』を意識したものなのか」
集まった現地メディアからは両軍の責任者に対し、2027年までに準備が整うとの臆測が語られている、中国の台湾侵攻に絡めた質問が相次いだ。
フィリピン北部に広がる米軍の足場
現場には台湾メディアも駆けつけ、問いかけた。「台湾海峡での全面戦争。これを懸念しているのではないのですか?」
記事後半では、フィリピン外務省の元高官へのインタビュー内容を紹介します。元高官は台湾南部を「柔らかい腹部」と指摘。米国や中国の狙いを分析します。
米軍のセダホルム司令官は「…

