
路肩の雪もほとんど解けた4月5日の札幌・すすきの交差点。新婚旅行で来日した香港在住の潘永衛(パンヘハン)さんは戸惑った。ガイドブックには載っているのに……。あの有名な看板がない。
ウイスキー好きで、蒸留所のある余市町を訪れた帰りだったという潘さん。「ちょっと残念」
ニッカウヰスキーの看板「ニッカおじさん」が6日、13年ぶりにリニューアルした。準備のため、3月下旬から約2週間姿を消していた。今回で5代目だ。英国に実在したウイスキーブレンドの名人、W・P・ローリー卿(きょう)がモデルとされる。
初代は札幌オリンピックに向けた再開発が進む1969年、交差点に面する雑居ビルの完成とともに設置された。
86年、2002年、13年と改修を重ねるごとに、おじさんは大きく、色彩豊かに、ネオンは明るくなった。
この街に暮らす人々のオーラルヒストリーを記録し続けている民衆史研究家の石川圭子さんは「街の変化と歩調を合わせるように、看板も姿を変えてきました」と語る。
この街はどう変わってきたのか。
札幌駅から15分ほど歩くと、ネオンきらびやかな繁華街・ススキノが現れる。その入り口にあるのがニッカおじさんの看板だ。
煌々(こうこう)と光る看板の下を石川さんと歩いた。
「歩道が広くなっているのが分かりますか?」。確かに、看板のそびえるビルを含めた区画が、隣と比べて丸ごと3メートルほど奥まっている。
いったいなぜ?
かつての「薄野(すすきの)…





















