韓国南部の済州島(チェジュド)で、1947年から54年にかけて起きた「済州4・3事件」を題材にした韓国のドキュメンタリー映画「済州島 声たち」が11月7日から、ポレポレ東中野(東京都中野区)などで全国順次公開されます。
事件は朝鮮半島の南北分断を背景に起き、武装蜂起とその鎮圧の過程で推定2万5千~3万人が犠牲になったとされています。チ・ヘウォン監督は、心に深い傷を負った女性たちの証言を通じ、「女性が歴史の主役になれることを知ってほしい」と語ります。
- 語られなかった女性たちの「済州4・3事件」 証言追う韓国映画公開
――主な証言者は事件を生き延びた4人の女性です。
4人のうち2人は、今回初めて事件について証言しました。
キム・ウンスンさんは、(48年12月に多数の住民が殺害された)兎山里(トサンリ)事件の生存者です。
「事件を話せば、母が倒れてしまう」と心配し、ウンスンさんに会わせなかった息子を6カ月かけて説得しました。

初めて会った時は事件に触れず、農業などの話をしました。2度目の面会で済州の暮らしについて聞くうちに、ウンスンさんは事件を思い出し、体を震わせました。
言葉は多くありませんでしたが、約70年ぶりに事件の記憶を体で表現しました。
海女のホン・スンゴンさんも今回、初めて事件について語りました。
当時、女性への性暴力を懸念した親から、早婚を強制されました。望まない結婚だったので、夫が生きている間は、事件のことを語るのが難しかったのです。
【連載】読み解く 世界の安保危機 牧野愛博
ウクライナにとどまらず、イラン情勢や台湾、北朝鮮、サイバー空間、地球規模の気候変動と世界各地で安全保障が揺れています。現場で何が起き、私たちの生活にどう影響するのか。のべ520人以上の国内外の識者へのインタビューを連載でお届けします。
「心の傷を話すこと、人生を整理する大きな助けに」
――4人の心情についてどう理解しましたか。
心の傷について話すことは…
