
「水俣病は遺伝する」という誤った内容の動画教材を使っていた家庭教師派遣「トライグループ(東京)」は、新しい教材を作り、公開した。現地で患者らの声を聞きながら作製。「水俣病は遺伝しない」と伝えている。
同社は「家庭教師のトライ」を運営する。誤りがあったのは、映像学習サービス「Try IT」。中学の歴史で、4大公害病を動画と文章で説明する教材。水俣病について「この病気が恐ろしいのは、遺伝してしまうことです。妊婦さんが水俣病にかかり、生まれてきた赤ちゃんまでもが発症することがありました」と記していた。誤りは昨年4月に判明し、同社は謝罪して教材は非公開となった。
トライによると、アプリでは2015年11月ごろから21年3月ごろまで、ユーチューブでは16年1月から25年5月まで公開された。アプリは推計7千回程度利用され、ユーチューブでは7万回余り再生されたという。
トライの担当者は熊本、新潟両県を数回訪れ、患者らと面会。新しい教材についても患者らを支援する団体などと意見交換し、製作してきたという。
患者らの証言も
新しい動画は17分程度。水俣病に特化した内容で、原因や症状のほか、歴史的経緯や、水俣病をめぐる偏見と差別の問題も伝えている。胎児性水俣病についてはイラストを用い、「両親から子どもに遺伝したわけではない」「遺伝子ではなくメチル水銀によって発症する」とし、「水俣病は遺伝しない」と説明した。
患者らが症状や差別などについて証言する動画も盛り込まれ、患者で水俣病資料館語り部の緒方正実さんは「正しい知識を学び、大人が子どもに繰り返し教えていくことで差別はなくなる」と話した。
トライの担当者は取材に「指摘を受け止め、現地を訪れるなどして学び直しをしてきた。新しい動画教材を通して、正しい内容を発信していきたい」と話した。
新しい教材動画は「Try IT」のほか、ユーチューブなどでも見ることができる。















