兵庫県たつの市の「こどもサイエンスひろば」で22日、小学生向けの科学教室が開かれた。小惑星から持ち帰られた粒子を運んだ容器が同館に寄贈されたことを受け、宇宙の真空状態と、地球の大気について学んだ。
同館では毎月1回、科学教室が開かれており、22日午前の部には小学3~6年生の児童約30人が参加。県立大付属中の自然科学部の生徒が先生役を務め、宇宙、太陽系、小惑星、探査機などについて映像やクイズを交えながら教えた。
同館には2月、たつの市の工場で作られた小型輸送容器が寄贈・展示された。容器は小惑星「リュウグウ」から採取された粒子を世界中の研究機関へ送るため、密閉性を高め、内部の真空状態を長く保つように作られている。
自然科学部の生徒たちは真空に近い状態を作る器具を児童たちに操作してもらい、器具の中にマシュマロを入れて空気を外に出すと圧力が減ってマシュマロが大きくなることを体験してもらった。空気を戻すと、マシュマロはすぐにしぼんでいった。児童たちは「倍ぐらい大きくなった」「空気を戻したらしわしわになった」と話していた。
先生役の中学3年の東穂乃花さんは「真空を口頭で伝えるのは難しいので、実験が一番と考えた。みんな笑顔で反応してくれて、たくさん質問もしてくれたので良かった」と話した。(雨宮徹)