
インタビュー連載 「8がけ社会」を読み解く
一足早く人口減少が進む地方から、現役世代がいまの8割に減る「8がけ社会」の未来はどう映るのか。ローカルジャーナリストと研究者を兼ねる立場から、地域や次世代と向き合ってきた島根県立大学准教授の田中輝美さんに、困難を乗り越えるヒントを聞いた。
「8がけ社会」を読み解く
高齢化がさらに進む2040年、働き手はますます必要になるのに、現役世代は今の8割になる「8がけ社会」が訪れます。今まで通りが通用しない未来をどう生きるか、インタビューを通じて読み解きます。
――地方の最前線から、人口減少の現状をどう見ていますか。
この5年くらいの間に変わってきました。良い悪いではなく、人口減少が前提となりました。これまでは、どう減少を食い止めるかの「緩和策」に議論が集中していました。それが、人口が当面減っていくことに対する「適応策」に議論の軸足が移っているように思います。
また、地方では、自分の手で暮らしやなりわいをつくっていこうとする人が増えています。特に若い人たちの新しい潮流や生き方の多様化には希望を感じます。
――どんな点に新たな潮流を感じますか。
明治期から高度成長期を経て続いてきた考え方は、ある意味、「立身出世」の一本道でした。地方から都市へ、その先は世界へ、という道筋が誰にもわかりやすく、それこそが、わかりやすい成功に見えていました。
いまは、従来の「立身出世」を目指す学生ばかりではありません。私の周りを見ていると、暮らしや働き方をオーナーシップ(主体性)を持ってデザインしていく若者が地方に流入したり、地方で育っていったりしていると思います。
朝日地球会議2025
田中輝美さんは10月24日、東京都内で開かれる朝日新聞社主催の「朝日地球会議2025」に登壇します。東京大学教授の宇野重規さん、シェアリングエコノミー協会代表理事の石山アンジュさんと「『8がけ社会』の処方箋」について語り合います。
――人口減少の先進県の島根県で暮らす中で、ヒントはありますか。
人口が増えることや成長こそが成功という常識と思考で生きてきた世代には、人口減少はマイナスとしか捉えられないと思います。
ただ、人口が減れば、一人の…









