8月に開かれる京都府吹奏楽コンクールで、指揮者を吹奏楽部員の生徒が務める高校がある。顧問や外部指導者など、大人が指揮することが一般的な中、珍しい取り組みだ。
放課後の京都府立洛西高校(京都市西京区)の一室。力強く豊かなハーモニーが響く。コンクールに向けて、吹奏楽部の練習が熱を帯びていた。
「ここはもっと華やかに入りましょう!」
生徒たちに指示を出すのは、吹奏楽部のクラリネット奏者でコンサートミストレスを務めてきた森山真琴さん(3年)だ。吹奏楽コンには指揮者として臨む。
自身も同校の吹奏楽部出身だった顧問の山下尚樹教諭(42)が、生徒による指揮の提案をした。
他校も含め、10年以上吹奏楽部の顧問を務め、指揮を執り続けてきた。同校では、今年カラーガードの全国大会で金賞、マーチングバンド関西大会では5年連続金賞に輝き、多くの生徒を輝かしい舞台に導いてきた。
生徒や先生として部活動に向き合ってきた山下教諭にとって、練習や大会に様々な制約があったコロナ禍は、部活動のあり方を改めてじっくり考える機会になった。
今の大人主導のコンクールの…