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経営する和食店「賛否両論」の調理場に立つ笠原将弘さん。ここで動画も撮影する=東京都渋谷区、関口聡撮影

 動画の撮影は、開店前の厨房(ちゅうぼう)で打ち合わせもなく始まった。ほかには、若い助手ら2人と小さな手持ちカメラを構えた男性ディレクターだけ。東京・恵比寿の人気和食店「賛否両論」で、店主の笠原将弘さん(53)がのり弁やレモンレタスサラダなどを調理する姿が収録されていく。

 「材料費はお安い。でも50代ならこれで十分満足」「シンプルだけどやみつきの味。イギリスのマダムに教わってから立て続けに作った」。こんな言葉に引きこまれ、見ている方はすぐ作りたくなる。

 「焼き目を付けた竹輪に青のりを振れば、ほら磯辺揚げ風」と今回のおかずは忙しい朝を意識した。「のりはちぎれば食べやすく、ふたにくっつかない。のりの下におかかとゴマも入れ、ご飯は二段。これが高校時代におやじが作ってくれた笠原家流」「しぼった後のレモンは、こすると茶渋が取れるから無駄なく使って。銅鍋もきれいになる。修業中はよく磨いた」

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動画に収録された「のり弁当」で、おかずを盛りつける=関口聡撮影
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15分ほどで完成したのり弁当を手に、カメラに向かってニッコリする笠原将弘さん=東京都渋谷区、関口聡撮影

 東京・武蔵小山の商店街で飲食店を営む両親の姿を見て育ち、料理人を志した。独創的ながら親しみやすい和食で繁盛店を築き、軽妙なトークからその人柄と足跡が伝わってくる。

 2023年5月にユーチューブで始めた「笠原将弘の料理のほそ道」(https://www.youtube.com/@sanpiryoron)は動画を毎週2回更新し、500本以上を投稿した。チャンネル登録者は125万人を超える。

 テレビ出演で知り合ったディレクターに口説かれたのが発端だった。今も小さなカメラを構えて撮影する男性だ。

 コロナ禍で休業中に動画の投稿を始める料理人がいることや、ユーチューバーが子どもに人気の職業であることは知っていたが、「そんな時代なんだ」と思うぐらい。「彼1人が来て、ぱぱっとシンプルなのが良かった。忙しいけれど、やったら意外とはまった」

 最初は、店で出すような凝っ…

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