
人類が大切にしてきたはずの法の支配といった理念が侵食され、大国によるむき出しの力が横行する世界。そんななか、株価に一喜一憂しているように見えるこの国は、これからどう生きていくのか。寺島実郎さんは、いまこそ戦後民主主義の歩みを振り返り、「新しい公共」を社会に実装すべきだと語る。
――2026年は米国によるベネズエラ攻撃という衝撃的なニュースで始まりました。
「2期目のトランプ政権の登場で、世界が大切にしてきた理念が後退し、『すべては取引(DEAL)』の『自国ファースト』が大手を振っています。こんな時だからこそ、何が重要なのか、自身の歩みを振り返り、これからについて考えましょう」
――日本人の歩み、ですか。
「物価高と円安の本質など、考えるべき大切なテーマはたくさんありますが、戦後民主主義の現在地について考えることが欠かせません。トランプ大統領に限らず、世界ではまるで『独裁者クラブ』のメンバーのような面々が『力こそ正義』という風潮を強めています。トランプ大統領は私よりも1年年長の同世代です。その意味では彼も戦後という時代を生きてきたのです」
――トランプ2.0時代は日本にとっても難題が山積です。
「高市早苗首相が、米艦のトランプ氏の隣で跳びはねることに象徴されるように、我が国には米国に過剰同調して『日米黄金時代』と高揚する人が少なくありません。強権的な政治への誘惑に駆られる時代だからこそ、戦後民主主義の意味を踏み固める必要があります。来たるべき戦後3度目の『政治の季節』を創造することが重要です」
――「政治の季節」とは。
「戦後の日本には『政治の季…





