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海外渡航を応援する奈良市の事業に選ばれた高校生たち。左から鬼追さん、杉田さん、高橋さん=2024年7月24日午後3時16分、奈良市役所、富岡万葉撮影
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 奈良市は中高生の夏休み中の海外渡航を応援する補助金事業を始めた。市内在住者が夢をかなえるために学びたいことや渡航先を企画・立案し、市が財政面で支援する。第1回の渡航者たちが24日に市役所を訪れ、抱負を語った。

 今回の審査で選ばれたのは高校生4人。ザンビアに行く鬼追(きおい)桜子さん(立命館宇治高3年)は「途上国の医療や教育の現場を見て課題を知りたい」、杉田光優(みゆ)さん(京都教育大付属高2年)はエストニアで「先進的な教育を学び、ディベートや授業を行いたい」、インドとマレーシアに渡る高橋佑奈さん(大阪教育大付属高天王寺校舎3年)は「多民族国家で宗教や社会問題、共生のあり方を学びたい」と、力強く語った。

 一足先に渡米した森田真子さん(奈良女子大付属中等教育学校4年)は、ドラマ制作など「現地に行かないと分からないことを学びたい」と書面でコメントした。

 市教育委員会地域教育課によると、語学力や資格の有無は問わず、書類とプレゼンテーションから熱意や努力に注目して選考するという。今回は中高生17人の応募があった。

 補助金は上限30万円で、学習のための経費や渡航費のほか、パスポート取得費や保険料に利用できる。前払いも可能で、担当者は「経済的に余裕のない家庭の子どもたちの選択肢を増やす一助にもしたい」と話す。企業版ふるさと納税などが財源で、市は市内外から協力企業を募っている。(富岡万葉)

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