
細い路地に沿って100棟近くの木造家屋が所狭しと並ぶ。黒い焼き杉の壁に本瓦、漆喰(しっくい)の白壁――。巡っていると過去にタイムスリップしたかのような気持ちになる。
瀬戸内海に浮かぶ本島(香川県丸亀市)の北東部、笠島地区の光景だ。本島は、造船や操船で豊臣秀吉の天下統一を支えた塩飽(しわく)水軍の本拠地として知られる。中世に城が築かれた笠島地区は、城下町の要素を持つ歴史的な町並みが今も残り、「塩飽大工」と呼ばれた名工たちが手がけた技を見ることができる。
笠島地区は1985年、中世以来の瀬戸内の港町の様子を知ることができるとして、国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定された。全国では当時22件目、県内では唯一の重伝建。今年で選定から40年となった。
国の補助を受け、町並みの保存・活用事業を続けてきた笠島地区は、瀬戸内国際芸術祭などで島を訪れる観光客が足を運ぶスポットにもなっている。ただ、人口減少の波に襲われた同地区は、いま存続の危機にある。
40年で人口は10分の1以下に
「子どもの頃は、地区内に同…




















