Smiley face
写真・図版
仲代達矢さん=2022年2月

黒澤明監督の映画を始め、舞台やテレビで重厚な演技を見せた俳優の仲代達矢さんが8日、肺炎で死去した。92歳だった。

 仲代達矢さんにインタビューをして、ファンにならない記者はまずいないだろう。スター然としたところがなく、私たちと同じ地平に降りてきてくれる。会話の端々からユーモアが自然にこぼれ出す。目の前の記者を楽しませようというサービス精神に満ちている。

 ところが銀幕で印象に残る仲代さんと言えば、冷酷無比だったり、権謀術数にたけていたりと、影を持った人物が多かった。出世作となった小林正樹監督の「黒い河」(1957年)の、女性を食い物にするチンピラ「人斬りジョー」があまりに強烈だったせいだろうか。

 あの大きな目でギロリとにらまれると、誰もがすくんでしまう。72年のNHK大河ドラマ「新・平家物語」では、権力の頂点に上り詰めた平清盛が高熱に侵されて絶命していくシーンを迫真の演技で見せ切り、大河ドラマ史上屈指の名作にしてみせた。

 ほかにも黒澤明監督の「用心…

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