東京女子医科大学(東京都新宿区)の医学部入試で、受験生側から寄付金を受け取り、同窓会組織が推薦枠を決める際に考慮に入れていた疑いがあることが関係者への取材でわかった。寄付額などを点数化し、受験生同士で比較していた。
同大の不正を調べている第三者委員会は、入試での寄付金受領を禁じる文部科学省の通知に抵触する可能性もあるとみて調べる。文科省は同大に報告を求めている。
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寄付受領の疑いがあるのは、同大入試のうち同大卒業生らで構成する同窓会組織「至誠会」が推薦する制度。至誠会には約10人の推薦枠があり、2022年度入学の出願資格は「3親等以内の親族に至誠会の会員または準会員がおり、至誠会の所定の手続きを経て、至誠会の推薦を受けた者」と定める。寄付の記載はない。
複数の関係者によると、問題があったのは同大の岩本絹子理事長(77)が至誠会の代表理事を務めていた19~23年度入学の推薦入試。至誠会は筆記や面接などの要素の他に、至誠会や大学への寄付額や、受験生の親族が至誠会の会合に出席した回数を点数化して加算していた。ポイントを考慮して推薦枠に入れるかを決定。寄付額を考慮することは、募集要項などに記さず、個別に受験生側に伝えていたという。
同大によると、至誠会の推薦枠を獲得した受験生は改めて同大の試験を受け、その結果で最終的な合否が決まっていた。公表資料によると、21~23年度入学の試験では計27人がこの推薦枠で受験し、計26人が合格した。
経緯を知る同大関係者は、至誠会の推薦で寄付金が考慮されていたことを認め、「社会に対して不明瞭で、入試を受ける前提にお金が絡むのはおかしい」と指摘する。
至誠会幹部「受験生に非はない」
至誠会は昨年4月に岩本氏を…