いい音とは何か。どうしたらいい音を出せるのか。吹奏楽部員ならだれもが考えるこの根源的な問いに、大阪大基礎工学部の吉永司助教(流体力学)は、日本が誇るスーパーコンピューター「富岳」を使って向き合っている。
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メインの研究分野は生体医工学。声帯を振動させて口から声が出る一連の動きをモデル化してコンピューターの中で再現し、医師らと協力して発声障害などのメカニズム解明や治療につなげる。そのかたわら、木管楽器のシミュレーション研究を続けている。

中学でテューバ、高等専門学校(高専)でトランペットを演奏した元吹奏楽部員。今も音楽が好きで、演奏を聴いたり家でピアノを弾いたりする。大学での研究テーマも音への興味から選んだ。
楽器の研究は、独立した研究者として職を得た2019年に始めた。対象楽器はクラリネット。マウスピースの吹き口に、リードというへらのような薄い板を添えて留め金で固定し、その板を振動させて音を出す。同じ木管楽器でもリードがないフルートなどより構造が複雑で、空気の流れや振動の伝わり方を計算するのが難しい。本格的に演奏したことはなかったが、まだ研究が進んでいない難関に魅力を感じ、あえて挑んだ。

シミュレーションはかなり大規模だ。モデル楽器に対して約1億7千万点の格子点を配置し、それぞれに変位や密度などを算出。非常に小刻みに計算を繰り返すことで、気流や音の振動を精密に再現する。
富岳では、野球の大谷翔平選…








