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米ペンシルベニア州の自宅前で、民主党系の政治団体「スイング・レフト」のボランティア選挙運動員の聞き取り調査に応じるアレックス・ボンド氏(左端)=2026年6月、ニューヨーク・タイムズ

How A.I. Is Changing the Way Politicians Run for Office

 最近のある日の午後、米ペンシルベニア州ヨークの自宅前で、アレックス・ボンド氏(29)は自身が最も懸念する政策課題を一つずつ挙げていた。ガソリン価格、税金……。その次に挙げたのは、AI(人工知能)稼働に必要な巨大施設で、膨大なエネルギーを消費するデータセンターだった。

 「AIは恐ろしい」。足首に装着する電子監視装置「アンクルモニター」を提供する企業で、アカウントマネジャー(顧客担当者)として働くボンド氏はそう語ると、「きっとAIは人類を滅ぼすだろう」と付け加えた。

 ボンド氏が話をしていた相手は、民主党のジャネル・ステルソン候補の要請を受け、ペンシルベニア州の激戦区である連邦下院第10選挙区に派遣された選挙運動員2人だった。2人は昔ながらの戸別訪問による選挙活動を展開していた。

 だが、ボンド氏が気づいていないことが一つあった。自身のこの発言が直ちに、まさに彼が懸念しているAI向けデータセンターの一つで処理される、ということだ。

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有権者から聞き取った内容をスマホのAI搭載アプリに入力する民主党系の政治団体「スイング・レフト」の選挙運動員=2026年6月、米ペンシルベニア州、ニューヨーク・タイムズ

 ボンド氏との会話が終わると、民主党系の政治団体「スイング・レフト」のボランティアである運動員は、ボンド氏の発言の要旨をスマートフォンのアプリに入力した。このメモはその後、同じ選挙区での同様の戸別訪問で集められた何百件ものメモとともに、AIツールで分析された。そのツールは、有権者の声を分析・集約し、選挙陣営が有権者に伝えるメッセージを調整したり、ボンド氏のような有権者を説得して支持者に変えたりするための報告書に内容を反映させる。

 「人が話すことはすべて、分析に使われるデータになる」と、戸別訪問員のひとりで、「スイング・レフト」の東海岸担当の組織活動プログラムマネジャーを務めるバイオレット・コップ氏は話す。

  • 【注目記事を翻訳】連載「NYTから読み解く世界」

かつてはAIツールに警戒心を抱いたり、扱いに苦慮したりしていた共和・民主両党の候補者や戦略担当者たち。今ではAIを活用して選挙運動を強化しようとしている、とNYTは報じています。

 かつてはAIツールに警戒心…

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