ユーチューブで生配信される熊本県八代市の災害対策本部会議=2026年10月2日、熊本県八代市

現場へ! 2度目の熊本地震(2)

 民間企業から熊本県庁、衆院議員を経て市長に――。今年7月に起きた熊本地震で大きな被害を受けた八代市の市長、小野泰輔(52)は、その対応にこれまでの経歴や人脈が生きた。

 「自衛隊のヘリを出してください」

 発生日の夜、小野が連絡した先は防衛相の小泉進次郎(45)の携帯電話だった。被災した病院から患者を搬送したいが、夜間はドクターヘリが飛べなかったからだ。

 議員は1期ながら、超党派の勉強会を通じて小泉とつながりがあった。翌日以降も「何か必要なことは?」と電話をかけてきてくれた。

 発生当時の文部科学相・松本洋平(53)とは同じ委員会に所属していた。学校の2学期の開始が遅れると、保護者に負担がかかる。しかし、安全性を確かめないと校舎が使えない。小野は松本に電話して応急危険度判定士の派遣を急いでもらい、予定通り始業式を迎えられた。

市役所で職員と話し合う熊本県八代市長の小野泰輔=2026年10月2日

 民間に委ねられることは委ねる姿勢も持つ。職員の負担が大きい避難所の運営は、施設管理ができる団体や警備会社に委託し、ほかの業務に力を注げるようにした。

熊本県副知事8年、衆院議員1期

 小野は東京大学を卒業してIT企業社員などを経て、ゼミの恩師で前知事の蒲島郁夫(79)のもとで副知事を8年間務めた。その間の2016年に熊本地震が起きた。当時の県の総務部長が、同じ蒲島ゼミ生で総務省から出向していた木村敬(52)だった。

 蒲島の後に知事に就いた木村とは、「何でこんなことがすぐできないんだ」と直言できる関係にある。それでも「それぞれ役割分担があるし、県にも限界があるのはわかる」として、自ら木村に働きかけることは控えている。

 少年時代から政治家志望だっ…

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