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わじまティーンラボの小浦詩さん(左)。「親でも先生でも友達でもない、ナナメの関係だからこそ、話しやすいことってきっとあると思う。聞くに徹することを大切にしたい」=2024年4月16日午後5時36分、石川県輪島市河井町、伊藤進之介撮影
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 「親でも友達でもないナナメの関係の私だからこそ、悩みを話してくれる子もきっといる」。小児科医で、3児の母でもある石川県輪島市の小浦詩さん(42)は10代の子どもにとっての「家でも学校でもない第三の居場所」として、2022年4月から「わじまティーンラボ」(同市河井町)を運営してきた。ラボは能登半島地震で3カ月近く休止していたが、新年度を前に再開した。

  • 写真ルポ 能登半島地震

 4月16日夕方、副院長を務めるクリニックのビルの2階と3階にあるラボに、小学校高学年から高校生まで15人ほどの姿があった。子どもは宿題をしたり、ゲームをしたり、友だちやラボのスタッフと話したり、それぞれの時間を過ごしていた。小浦さんはクリニックとラボを忙しく行き来していた。

 ビルは地震で玄関のガラスが割れ、壁や天井の一部が崩れた。1階部分は今も使えず、駐車場に建てられたプレハブ小屋でクリニックの診療を続けている。

 地震の発生後、小浦さんは、かかりつけ患者の安否を確認したり、母子避難所で親子の相談を受けたりしながら、ビルの中を片付け、3月末にラボの再開にこぎつけた。

 親元を離れ、市外に2次避難していた子や、通い慣れた小学校が使えず、間借りする中学校の校舎で授業を受けている子がいる。環境が一変し、「非日常を楽しんでいるようにも見える」という子どもの心の変化を注視している。

 小浦さんは「地震を機にラボに関わってくれる地域の大人が増えた。子どもたちの成長を一緒に応援したら大人も元気になれる。お父さん、お母さんも、学校の先生も、地域の私たちが応援したい」と話す。(伊藤進之介)

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