
青森県の陸奥湾で養殖されたホタテのうち、生後1年半程度の新貝の9割以上、生後1年未満の稚貝の8割以上が、水揚げ前に死ぬ「へい死」をしていたことがわかった。いずれも過去最悪で、海水温の上昇が大きな要因だという。
陸奥湾でホタテを生産する漁業協同組合などが22日、青森市で行った「秋季実態調査」の報告会で公表した。調査は11月10~20日に実施。10の漁協に所属するホタテの養殖業者に対して実施した現地調査などの結果をまとめた。
調査結果によると、へい死率は陸奥湾全体で、新貝は93.3%(平年値16.0%)、稚貝は80.4%(平年値13・4%)に上り、いずれも現在の調査方法となった1985年以降で最悪の結果となった。
陸奥湾東側でへい死率高く、「全滅」の漁協も
今回の調査では、新貝、稚貝ともに陸奥湾の東側でへい死率が高い傾向がみられ、新貝は96.0%(西側83.9%)、稚貝は88.4%(西側75.0%)だった。ただ、西側でも9割を超えた漁協もあり、被害は湾全体に及んでいる。
漁協別にみると、新貝は脇野沢村が100%で「全滅」。むつ市99.7%、横浜町99.4%と続いた。稚貝は、むつ市と横浜町がいずれも99.9%で、青森市98.1%、後潟95.5%となった。
海水温の上昇は2023年から始まったが、今夏はホタテの生育に影響を与える海水温23度以上になった期間が、観測史上で最も長かったという。水深10~15メートルの中層で約3カ月、同20~30メートルの下層でも約2カ月半続いた。
また、稚貝を確保するために欠かせない親貝の不足も深刻だ。安定的な稚貝の確保に最低限必要とされる親貝の枚数の目安は1億4千万枚だが、10月時点では677万枚しかなく、7393万枚だった昨年から大幅に落ち込んだ。
関係者は「陸奥湾の高水温化が予想をはるかに上回るスピードで進んでいる。危機的な状況だ」と表情を曇らせた。
「今年は期待したが…」肩落とす漁師
「本当は忙しい時期なんですけどね……」
11月上旬、青森市のホタテ漁師・森賀香(しげよし)さん(46)は、港のそばで養殖用のカゴを修理しながらつぶやいた。本来は未明の時間帯に沖に出て、ホタテの稚貝を養殖用のカゴから別のカゴに移し替える作業に追われているはずだった。
水温27度の陸奥湾「人間で言えば熱湯風呂」
青森県のホタテ生産量は北海…









