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Aストーリーズ 小脳梗塞になった記者(2)

 2024年10月に職場で倒れ、東京慈恵会医科大病院(慈恵医大病院)に搬送された記者(48)は、左小脳梗塞(こうそく)と診断された。当初の入院期間とされた2週間が近づいてきたが、まだ歩けなかった。

 今後について担当の理学療法士(当時)の茂木茜さんに尋ねると、転院を勧められた。

 「発症から半年間が回復のゴールデンタイム。その後も回復は続きますが、この期間に集中的にリハビリすることが大事です」

 自分でも薄々は気づいていた。でも、認めたくなかった。以前と同じように歩けるようになるのは、どうやら簡単ではなさそうだった。少なくとも、あと1、2カ月はかかるだろう。それにパソコンの画面もろくに見ていられない。これでは仕事に戻っても出来ることは限られる。

 しばらくリハビリに専念したいと、上司の延与光貞社会部長(当時)に相談した。「人生は長い。仕事は焦らないでいい」と言ってくれた。

写真・図版
慈恵医大病院のSCUから見えた東京タワー=2024年10月15日午後7時20分、慈恵医大病院、岡田玄撮影

 ソーシャルワーカーと転院先探しが始まったが、どんな病院が良いのか見当もつかない。「どうせなら温泉がある病院がいいなあ」などと、のんきに考えていた。

 リハビリの時間にそんな話をすると、作業療法士の松木千津子さんから「後々を考えると、復職をめざす、働き盛りの人が多い病院の方が心の支えになりますよ」と、神奈川リハビリテーション病院を勧められた。通称カナリハ。脳梗塞の患者は高齢者の割合が多い。けれど、高齢者の自立と働き盛り世代とでは、めざすところが大きく違うのだという。「ただ、カナリハは相当厳しくて、脱走する人もいると聞きます」

 いいじゃん、スパルタ式。ソーシャルワーカーが問い合わせると、11月1日からベッドに空きがあるという。決めた。

吐き気と頭痛と生あくび 東京から山の中へ

 11月1日午前8時30分…

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