
みなさん、こんにちは。今回は、良いニュースと悪いニュースを取り上げます。
まずは、良いニュースから。
私が暮らしているウクライナのキーウで10月16日、7年ぶりに全ウクライナ日本語弁論大会が開かれました。
前回の開催は2019年。その後コロナ禍と戦争が続いたため、開催できずにいました。
戦争はまだ終わる気配が見えませんが、ウクライナ日本語教師会をはじめとする関係者の熱意で、再開にこぎ着けたのです。
「私が誕生日に願うことはただ一つ」
会場となったのは、キーウ国立大学の地下シェルターです。当初は大学の講堂で開く予定だったのですが、ここ数カ月ロシアからのドローンやミサイルによる攻撃が激しさを増していることから、変更を余儀なくされました。
- ウクライナ民間人被害が2年前の倍以上に 現地人権団体が訴える実態

キーウのほか、西部のリビウ、黒海沿岸のオデーサ、ロシアとの国境に近いハルキウから11人の大学生と大学院生が参加して、日本語による約5分間のスピーチと質疑応答に臨みました。
その結果、私が勤めているキーウ国立言語大学から参加したアナスタシア・クリボノスさん(大学4年)と、ナタリア・メルビンシカさん(修士課程)が、それぞれ1位と3位に輝きました。おめでとう!
私はこのひと月、2人のスピーチを規定時間に収まるように調整したり(これは、新聞社のデスクだった私の得意分野。いったん削った部分を本人の希望で復活させたのも、デスク時代を思い出す楽しい作業でした)、予行演習のお手伝いをしたりしていたので、うれしさもひとしおでした。
本番前日の最終練習は、途中で空襲警報が鳴って、切り上げざるをえませんでした。そんな状況の中、よくぞ本番で実力を発揮してくれました。

1位のアナスタシアさんは、戦争で16歳のときに南部ヘルソン州の故郷を離れなければならなかった自身の体験を語りました。
「毎年、私が誕生日に願うことはただ一つです。『いつか、もう一度、自分の家に帰りたい』」
「安心して『ただいま』と言える場所があることは、決して当たり前ではありません。誰かにとって家は、日常の一部かもしれません。しかし私にとって家とは、この4年間ずっと帰りたいと願い続けている場所なのです」
会場にいた人々は皆、心を打たれたようでした。
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ウクライナのキーウに拠点を置く駒木明義客員編集委員が書き下ろす「駒木明義のウクライナ便り」は、有料会員限定で随時(原則水曜)にメールで先行配信します。
アンタッチャブルな存在
さて、悪いニュースの方に話…
