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愛知県立刈谷高校の正門=刈谷市
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 愛知初の併設型公立中高一貫校の開校まで1年を切った。第1次導入校4校=表=は探究学習に力を入れ、大学受験対策を目的とした先取り学習はしないという。その狙いは何か、県教育委員会中高一貫教育室の木全貴治室長と小野智之室長補佐に聞いた。

 ――愛知の公立中高一貫校は「チェンジ・メーカー」の育成を掲げています。

 木全 世の中の変化が著しいなか、答えのない問題に対し、色々な人と協働しながら失敗を恐れず挑戦できる人、社会に変化を起こしていける人が求められているのではと考えました。

 小野 公立校への中高一貫教育の導入では、愛知は後発組。なぜ今からやるのか、愛知らしい教育とは何かを考えて生まれたのがチェンジ・メーカーです。愛知は産業の集積地。変化する産業構造に対応し、身近なところから一歩ずつ踏み出して、ひいては世の中を変えていくような人をイメージしています。

 ――第1次導入校はいずれも探究学習を重視するとしています。

 小野 好きなことをとことん追究したいというニーズに応える学校です。

 例えばイスラエル・パレスチナ情勢に関心を持った生徒がいるとします。歴史をどんどんさかのぼって調べていきたいが、高校入試があると5教科をまんべんなく勉強する必要があるため、その学びはいったん中断しなくてはならないですよね。

 木全 そうではなく、6年間の継続した学びで、一人ひとりの個性や可能性を最大限に引き伸ばしていきたい。

大学卒業後のこと考えると…

 ――「大学受験対策のためだけに授業進度を早めることはしない」と明言しています。

 木全 先取り学習をして高校…

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