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歌詞を確認しながら歌う生徒たち=2025年4月9日午後1時37分、さいたま市浦和区の埼玉県立浦和高校、小崎瑶太撮影

 埼玉県立浦和高校で上級生による新入生への「不適切」な校歌指導があったと元生徒が県側に訴えていた問題で、県教育委員会は19日、全137の県立高校で過去3年間に実施された校歌指導の調査結果をまとめ、発表した。浦和、川越、松山の3校で、大声で怒鳴りつけるなどの「配慮に欠ける指導」があった。過去25年間を調査した浦和高校では、校歌指導が不登校や退学などにつながった可能性がある事案が1件あったとしている。

 校歌指導をめぐっては、昨春、二十数年前に入学した元生徒が1人で歌うように求められ、竹刀を持った応援団員から暴言を受けて心的外傷後ストレス障害(PTSD)になり、中退したと県側に調査を要望した。朝日新聞の報道を受け、県教委の日吉亨教育長は2月、同校に対して25年前までの調査を指示すると同時に、全137校の調査を表明していた。

 2022~24年度の全校調査結果によると、上級生が新入生に対して校歌や応援歌の歌唱指導をしていた高校は8校。このうち、浦和、川越、松山の3校で、生徒や保護者から指導方法について改善を求める意見があった。3校の調査結果では、「上級生が新入生の近くに寄り大声で怒鳴りつける」(3校)、「新入生を個別に指名して1人で歌わせる」(浦和)「竹刀で床をたたく」(浦和)など「配慮に欠ける指導」があったとしている。

 00年度から24年度までを…

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