決着か、再逆襲か――。一力遼名人(28)=棋聖・天元・本因坊と合わせ四冠=に芝野虎丸十段(25)が挑戦している第50期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)第5局が7日、甲府市の常磐ホテルで始まった。
名人がいずれも難局を制して開幕2連勝を飾った後、挑戦者が第3局に完勝。第4局は再び名人が圧倒し、初防衛に残り1勝とした。
対局は2日制で打たれ、持ち時間は各8時間。7日午前9時に始まり、午後5時半以降に打ち掛け。8日午前9時に封じ手を開封して再開し、同日夜までに終局する見込みだ。立会人は名人通算9期の趙治勲名誉名人(69)、新聞解説は一力、芝野とともに「令和三羽ガラス」の一角を成す許家元九段(27)、ユーチューブ解説は「ウニ」の愛称でファンから愛される鈴木伸二八段(34)が担う。
朝日新聞のデジタル版では、タイムラインで徹底詳報する。
【囲碁ライブ】一力遼名人ー芝野虎丸十段【第50期囲碁名人戦第5局1日目】(終局後、ライブ録画は囲碁将棋TVのメンバー限定になります)
- 【第4局詳報】一力遼名人、芝野虎丸挑戦者に完勝 3勝目で初防衛に王手
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1日目総括
陣取り合戦では名人優勢
名人が勝てばタイトル防衛の一局は、名人のシノギ、挑戦者の攻めという両者得意の戦型になった。名人が挑戦者の攻撃をかわしてゴールテープを切るか、挑戦者が名人の尻尾をつかみパンチを決めるか。焦点は絞られつつある。
序盤から名人の妥協なき打法が目を引いた。左上で白を攻めながら自陣を囲い、下辺黒63と相手の勢力圏に踏み込んで敵陣を削る。何も譲らない名人の作戦に、挑戦者は中央左側と下辺の根拠なき二つの黒の塊を狙う「絡み攻め」に出た。
対して名人は中央黒73の大技を放つ。不安な二つの塊を結ぶラインの中点にあたり、白の動きに合わせて整形を図る高等手段だ。
挑戦者にすれば、二つの塊の連絡を許すわけにはいかない。白74以下80とラインを切る。すでに陣取り合戦では名人に後れをとっている。勝つにはどちらかの黒の塊に痛撃を加えなければならない。

名人の下辺黒95を見た挑戦者は、37分考えてそのまま手を下さず、次の手を封じた。解説の許家元九段は「挑戦者が中央と下辺、どちらの黒の塊に狙いを定めるのか。封じ手が今後の展開を決める大事な一手になります」と話した。
17:30
挑戦者、96手目を封じる
午後5時半。10分ほど前に上着を羽織っていた芝野挑戦者が、すぐに96手目を封じる意思を示した。名人も上着を羽織る。
挑戦者は記録係から棋譜を受け取り、隣の部屋に向かった。封じ手を記入し、対局室に戻って封じ手を入れた封筒を趙立会人に手渡した。1日目が終わった。

打ち掛けの局面について、検討陣からは「(封じ手は)分からない」「難しい局面だ」との声が上がっている。

17:00
封じ手迫る
午後5時半になると、封じ手が可能になる。30分を切り、白番の芝野挑戦者が96手目を考えている。
「このまま封じる可能性もあり得る」と鈴木伸二八段。「次の手は重要な一手になりそうですから」

挑戦者は上着を脱ぎ、珍しく前のめりに盤面を見つめている。
午後5時時点の消費時間は、名人2時間49分、挑戦者4時間11分。
タイムライン連載「囲碁よ」第24回
辻華三段「変わらないこと 非常階段でもコンビニ前のベンチでも」
囲碁と出会ったのは小学1年の時でした。
両親や祖父も囲碁を打つ家で、囲碁教室のアシスタントをしていた母が自宅で教材作りをしている時に「これなあに?」って興味を持って始めたみたいです。

囲碁を始める前もいろんなことをやってはいたものの、長続きしなかったんですね。兄に付いていった野球は1カ月でやめちゃいました。ボール拾いが大変で、つまんないなあ……と思っちゃって(笑)。
勝つ、負けるということが最初からあった囲碁は、負けず嫌いな自分に合っていたんだと思います。
道場で負けると、よく泣いていました。1時間くらい泣いた後、道場を抜け出して非常階段に座ったままもう1時間泣いてたら、さすがに心配した先生から親まで連絡がいった、みたいなこともありました。そのくらい負けることがつらかったんです。
小学4年で女流アマ選手権の東京都代表になれたりして、囲碁は楽しかったんですけど、5年で院生になって全て変わりました。底辺の底辺を争うようになって、あ、自分は全然すごくないんだって(笑)。1学年下に上野愛咲美さんがいるような環境ですから。ビリ争いを8カ月くらい続けて。
でも、たまにある喜びが自分…














