
この社説のポイント
●中国共産党の5中全会は一党支配の永続のため、厳格な党内統治を提起した
●習近平政権は「反腐敗」で党内を引き締め、習氏の個人独裁が強まっている
●その一方で習氏の後継者は見あたらず、共産党政権の将来は不透明だ
中国は共産党による独裁の政治体制である。いかに存続させるかは歴代政権の最重要課題だ。前例や慣習を廃し、長く最高指導者の地位にとどまる習近平(シーチンピン)氏は、特に意識しているといわれる。
そのために必要なのは「厳格な党内統治」だと位置づけたのが、10月29日まで4日間、非公開で開かれた中国共産党第20期中央委員会の第5回全体会議(5中全会)だった。第21回党大会が来秋に控えるなかでの開催だ。
閉幕時に発表されたコミュニケ(公表文)は、党内の腐敗や緩みを取り除いたと自賛する。そのうえで党幹部への監督を厳格におこなうことを改めて求めた。
共産党が政府にまさり、権力の分立を否定する体制で、党の暴走や腐敗を抑えるのは難しい。外部からの牽制(けんせい)がない以上、自ら律するしかないということだろう。
習政権が反腐敗を掲げて10年以上が経つ。党幹部の取り締まりは今も続き、強化されているようにみえる。世を驚かせたのは元重慶市長の黄奇帆氏。市長を退いて10年、エコノミストとして発言してきたが、74歳で摘発された。
5中全会では、共産党で外国との関係を担う対外連絡部長だった劉建超氏ら幹部33人の党籍剝奪(はくだつ)も公表された。異例の規模だ。
党機関誌「求是」が10月中旬に発表した習氏の1月の発言は、「様子見」「態度をコロコロ変える」「面従腹背」など、党幹部の堕落を痛烈に指弾している。
反腐敗キャンペーンは、巨額の収賄を暴き、市民と接点のある公務員の綱紀粛正につながり歓迎された。ただ、恐怖政治が人々を萎縮させる弊害も否めない。
党内の引き締めは、習氏の独裁を強化している。
かつて毛沢東の個人独裁への反省から、共産党は集団指導体制に移行した。胡錦濤前政権は「党内民主」を掲げ、後継の指導者選びにつながる幹部の投票も試みた。
それを党の分裂につながるとして否定した習氏が選択したのは、みずからへの権力の集中だった。
世界で民主主義が退潮傾向にあり、中国のような権威主義の方が効率的とみる向きもある。だが、強大な権力者の存在は副作用も大きい。
5中全会で後継を想定した人事はなく、来秋の党大会で決まる次期体制も習氏が率いるとみられている。
党幹部を厳しく縛りつける一方、後継者を決めるルールは作らない。長い目でみれば、共産党独裁の行方は不透明と言わざるを得ない。
- 中国共産党5中全会が閉幕 33人の党籍剝奪、習氏の権力基盤強固に
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