
記者コラム 編集委員・清川卓史
25年前の導入当初から介護保険の取材を続けてきた。私なりの思い入れもあって、制度見直し論議から目が離せない。
状況は厳しい。高齢者が支払う介護保険料は2倍以上に上がる一方、ケアワーカーや介護事業者は人材不足で苦境にある。制度の限界が近づいているようで、取材をしていても胸が苦しくなる。
いま、高齢者の利用者負担について、1割から2割にする対象者を拡大するなどの検討が大詰めを迎えている。現役世代らの保険料負担を軽減し、制度を持続させるためと言われている。
支払い能力がある高齢者に負担をお願いする検討は避けられないと私も思う。だが高齢者の負担増は、本当の意味で現役世代の負担軽減になるのだろうか。
2割負担拡大などに反対する「認知症の人と家族の会」は、「しわ寄せは必ず現役世代に返ってくる」と警鐘を鳴らす。経済的理由で高齢者がサービス利用をあきらめれば、その分だけ現役世代の家族の負担が増し、介護離職などにつながる恐れがあるからだ。
つまり現役世代の「負担」という言葉には二つの側面がある。一つは介護保険料などの金銭的な負担。もう一つは要介護の家族を見守ったり、介助したりする労力としての負担だ。後者は家庭の外には見えにくいが、遠距離介護の交通費といった経済的影響も生じうる。
介護保険料の負担を抑制しても、サービスの利用控えが広がれば、現役世代の見えにくい負担は逆に増す。高齢世代の負担か、現役世代かと単純に割り切れる問題ではない。
胸が苦しくなるもうひとつの…













