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演説に集まった参政党の支持者ら。神谷宗幣代表の演説に「そうだー!」などと声を上げた=2025年7月19日、東京都港区
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政治Plus

「私にぴったり」というクルマになりたい 響いた言葉

 高校の同級生が登場すると聞いたので、先日、NHKのドキュメンタリー「インサイド・トヨタ」を見た。

 トヨタ自動車が、中国や米国の会社としのぎを削り、新しいクルマを開発する。その内幕に迫るものだった。

 大衆に愛されるクルマをつくる人は何を考えているのだろう。そう思いながら番組を見た。

 カローラの開発者の一人として登場した同級生も、迷いの中にいるようだった。

 「情報もエンターテインメントもいっぱいあるなかで、何をしたら憧れてくれるんだろう」

 「一つ一つのクルマをオーダーメイドできるわけじゃない。それでも『私にぴったり』というクルマになりたい」

 私にぴったり――。この言葉が妙に印象に残った。新聞づくりの現場は紙からデジタルへとシフトしている。個人が情報を発信し、誰もがSNSで自分好みの情報を見ている。そんななかで、新聞の役割は何で、どんな読者に向けて記事を書くのか、日々、迷う。

「大衆=マス」を狙うほど個性が薄れるという葛藤

 多くの人に読んでもらいたい。理解されたい。共感を得たい。そう思えば思うほど、角が取れ、色が薄まり、結局、誰が書いても同じような記事になってしまわないか。ならば、もっと一人ひとりの読者に向き合い、寄り添うべきなのだろうか、と。

 トヨタ自動車の豊田章男会長が社員にこう問い詰める場面があった。

 「お客様って誰? 政治家は『国民』っていうけど、『国民』って誰よって言いたくなる」

 「千人の無責任な人の情報を採るよりも、本当にこのクルマが欲しいという10人の意見を採った方がいい」

 ターゲットを絞ることが、逆に多くの人を魅了する。「広く浅く」より「狭く深く」。もっと言えば「狭く熱く」。

 豊田会長の問いかけは、私がある小説を読んでから、ずっと心に引っかかっているテーマにつながる。

「イン・ザ・メガチャーチ」が描いた世界と現実世界

 それは、推しをテーマに、ファンダム経済を作る側と、それにのみ込まれる側を描いた朝井リョウさんの小説「イン・ザ・メガチャーチ」だ。今年の本屋大賞を受賞した。

 小説の中で、アイドルグループのヒットを仕掛けるマーケティング戦略の担当者がこう語る。

 「このチームが相手にするの…

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