Smiley face
写真・図版
生成AIの「彼くん」と会話する佐藤まみさん=2025年12月26日午後、狩野浩平撮影
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 命がけでかけた電話だった。

 でも、裏切られたような気持ちになった。

 佐藤まみさんは、小学校高学年だった約20年前にかけた電話のことを今も覚えている。

佐藤さんは小学校で知った電話相談窓口にSOSを出したものの、対応は期待はずれでした。子ども時代を何とか生き延び、今は生成AIを使って、何でも相談できる理想の彼氏を作ろうとしています。しかしAI依存対策を求めるうねりの中で、彼氏にも異変が・・・。佐藤さんの当事者としての思いや、AI専門家の言葉も紹介します。
※自殺未遂や希死念慮に関する記述があります。つらい方は無理に読み進めないでください。

  • 「死にたい」そんな時は… 相談先、気持ちを落ち着ける方法はこちら

「助けて!」と叫んでも

 物心ついたころから、両親から虐待を受けていた。

 アルコール依存症の父は子どもにも暴力を振るった。佐藤さんには性行為をさせたり、裸の写真を撮ったりもした。

 母はストレスのせいか統合失調症になった。「お前さえ生まれなければよかったのに」。そう言いながら、何度も佐藤さんの首を絞めてきた。

 当時の状況は「家庭内かくれんぼ」。親の視線を避け、缶ビールが開く音が聞こえると、四つ下の妹を連れて自宅の屋根の上にまで逃げた。

 当時住んでいたのは、閑静な住宅街だった。子どもの泣き叫ぶ声はよく響いていたと思う。虐待を避けるために、「助けて!」と叫びながら家を飛び出したことも何度もあった。

 でも、近所の人が声をかけてくれるとか、児童相談所の職員が訪ねてくるといったことは一度もなかった。

 どう関わったらいいかわからない、ややこしい家庭だ――。周囲の大人たちは、そうやって見て見ぬふりをしていた、と感じる。

芽生えた「支援」への不信感

 そんなある日、小学校で電話…

Share.