ガソリン暫定税率廃止、物価高対策、高校無償化……。石破茂首相が退陣を表明し、自民党総裁選が進む中、国民のくらしに直結する政策が停滞している。当事者たちの思いは。

愛知県で物流業を営む浅野一徳さん(51)は、「お客さんも会社もドライバーも、ギリギリだ」と話す。
新総裁決まっても 「政治に期待ない」
委託したドライバーによる荷物の輸送を行っている。ガソリン価格はロシアのウクライナ侵攻以降高止まりが続いており、ドライバーへの報酬に反映させたい。しかし、受注金額に上乗せするのは難しいという。値上げに応じてくれる取引先は「1割未満だろう」とこぼす。
ガソリン税に上乗せされる旧暫定税率をめぐっては、7月の参院選後、与野党6党が「年内廃止」で合意している。しかし、廃止を盛り込んだ法の成立を見込んでいた秋の臨時国会は、総裁選の影響でまだ開けていない。
受注金額が現状維持となれば、ドライバーから報酬を上げてほしいと言われても、対応できずに申し訳なさを感じる。中には、物価上昇などを受けて、この仕事では生活できないと委託契約を終了する人もいる。人手不足の業界のため、ドライバーが減ればその分、受注できる仕事も減ってしまう。このまま今の仕事を続けられるか、浅野さん自身も不安に思うことがある。

自民党総裁選では5人の候補者全員がガソリン暫定税率の廃止を訴えるが、少数与党による国会運営は先行きが見えない。自民・公明が参院選前に打ち出した1人2万円の現金給付は5人とも否定的で、立ち消えになりそうだ。物価高に苦しむ国民を尻目に、右往左往する政治。浅野さんは言う。「具体的な政策が実現しない限り、元々ない政治への期待を持つことはない」
授業料の納付延期も 制度固まらぬ高校無償化
石破政権が推し進めてきた高校授業料の無償化拡大も停滞している。
自民、公明、日本維新の会の3党は2月、無償化拡大に合意。今年度から1人あたり年11万8800円までの国の支援金の所得制限をなくし、来年度からは私立生向けの加算も所得制限を撤廃。さらに支給の上限額を今より約6万円多い年45万7千円までとする方針だ。
しかし、8月下旬に文部科学…



