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「川越不登校親の会」を主宰する木本晃子さん

 不登校の小中学生が急増するなか、ケアを担う保護者を支える必要性が指摘されている。子どもが長く家を出られず、保護者が孤立するケースが少なくないためだ。精神的な落ち込みや経済的影響など、深刻な実態も明らかになっている。

 年30日以上、学校を欠席し、「不登校」とされた国公私立の小中学生は、2024年度で35万3970人。12年連続で増え、8年連続で過去最多を更新した。

 背景には、不登校への理解の広がりと、新型コロナウイルスの影響があるとみられている。

この記事でわかること

①不登校、急増の背景
②親がケアを一手に担う現実
③保護者の孤立・心の不調が深刻化
④家計への打撃も小さくない
⑤親への支援の重要性

 不登校生の休養の必要性を明記した「教育機会確保法」が2016年に成立。子どもの意に反して登校を促すような指導が減ったことで、より休みやすくなったとの指摘がある。

 そこに、2020年のコロナ禍による一斉休校があり、2021年度は不登校の児童生徒数が25%近く急増した。文部科学省は、長期間の休校で生活リズムが乱れたことや、行事の中止や縮小で学校生活の魅力が薄れたことなどを理由に挙げた。

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不登校の小中学生の人数

国が進める「居場所」整備 限られる利用

 文科省はこうした状況を踏まえ、校内に教室以外の居場所である「校内教育支援センター」を整備するなどの対策を進めてきた。

 ただ、こうした「居場所」を利用できる子は限られているとの見方もある。

 埼玉県川越市の「川越不登校親の会」を主催する木本晃子さん(51)は「特に不登校になったばかりの頃は外出できず、居場所につながれる状況にない子が多い」と指摘する。

 子どもは多くの場合、不登校になるまでに傷ついたり、不登校になったことによる自己否定や対人不安を抱えたりしており、何もできない状態になりがちだという。話もできず風呂に入る気力もないような日々があり、その後、ゲームやSNSばかりするような「ひきこもり期」が長く続く。外出して家族以外と接することができるようになるまでに年単位の時間を要する場合もあり、その間、親のみがケアを担うことが少なくない。

保護者の半数以上に「気分の落ち込み」「孤独感」

 保護者の心身の負担は大きい。

 オンラインのフリースクール「SOZOWスクール小中等部」(東京都)が2024年に利用者の保護者484人(有効回答187人)に行った調査で、自身の変化を複数回答で聞くと「気分の落ち込み」が57・2%と最多で、「孤独を感じた」が54・5%と続いた。「精神科を受診した」は15.0%、「死にたいと感じた」も9・1%に上り、深刻な悩みを抱えた保護者も一定数いる実態が浮かんだ。

 経済的な影響もある。

 NPO法人「登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク」(東京都)が2022年に行った調査(有効回答640人)では、子どもの不登校をきっかけに世帯の「収入が減った」は31.0%に上った。低学年の子が不登校になった場合など、1人で留守番させられないといった理由で仕事を減らすケースがあることが背景にあるとみられる。

 支出が増加した項目として「食費(給食費代わり)」(68.1%)、「フリースクールなどの会費」(39.8%)などが挙がった。

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給食調理室(本文とは関係ありません)

支援情報の充実を

 木本さんは、保護者が専門家に相談したり、親の会に参加したりと、外部からの支援を受けやすくすることや、学校や行政から、そうした支援情報を受けられるといった、孤立を防ぐ支援策が重要だとみる。

 「学校に行けない子に必要なのは、安心できる居場所で傷を癒やすこと。その居場所は家庭であることが多く、保護者の心が安定していることが何よりも大事」と話す。

     ◇

<おことわり>当初配信した記事で、不登校の国公私立の小中学生が「14年連続で増え、9年連続で過去最多を更新した」としていたのは、「12年連続で増え、8年連続で過去最多を更新した」の誤りでした。記事を修正しました。

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