幼い子どもを育てながら学校に通う学生が、学業と育児の両立に困難を抱えている。会社員と違って育休などの制度は乏しく、自治体の保育園にも入りにくい。当事者の声と徐々に広がる支援策の現状を取材した。
- 学業・研究と育児を両立させるには 大学院で2人出産した識者に聞く
「業績が求められるシビアな世界で、子育てしながら成果を出し続けられるのか不安です」
まなviva!(学び場)
幼い子どもから、人生のベテランまで。日々の暮らしの中に、学びは満ちています。「学ぶ」をとりまく最新事情を伝えます。
東京大の博士課程に通う江連千佳さん(26)は、来年3月に双子の出産を予定している。年明けから休学する計画だが、今後も研究者としてのキャリアを積んでいくうえでいくつものハードルが横たわっている。
奨学金停止、給付金も対象外
例えば経済面。貴重な収入となっている博士課程学生向けの奨学金は休学すると停止され、教員の研究補助にあたる有給のリサーチアシスタントも続けられない決まりだ。

5年前に起業した会社も経営するが、学生も経営者も雇用保険の対象外。育児のために研究や仕事を休んでも国の育休給付金は受け取れない。
妊娠する前は「1年間なら休学して収入がなくなっても、貯金を切り崩しながらギリギリ生活していける」と考えていたが、「双子は想定外だった。育児用品も値上がりしていて自治体の支援策を真剣に調べている」と話す。
両立は「運ゲー」
保活(保育園探し)も懸案だ。
子どもたちが1歳となる2028年春の入園をめざすが、就労者に比べて学生が入園選考で不利になる自治体は多い。江連さんが住む自治体は待機児童が多く、保活を目的とした引っ越しも検討しているという。
「そもそも博士課程で出産することを想定した制度になっていない。私の場合は研究室の理解もありなんとかなるかもしれないが、研究と育児を両立できるかどうかは運ゲー(運の要素の大きいゲーム)のようになってしまっている」と訴える。
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