
外国人をめぐる議論ではSNSを中心に、多くの偽情報や誤情報も飛び交っています。難民とは、仮放免とは。埼玉県川口市に集まって暮らすトルコ国籍のクルド人とは。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や国際移住機関(IOM)で実務経験もある国際基督教大の橋本直子・准教授に聞きました。
――川口市に暮らすクルド人の多くは、難民認定を求めていますが、ほぼ認められていません。彼らを「難民だ」という人もいれば、「出稼ぎ目的だ」という人もいます。
難民認定は、一人ひとり個別に審査することが原則です。出身が同じ地域、同じ一族であっても、事情はそれぞれ異なります。
国を追われる事情、さまざま
日本で稼いでトルコに家を建てている、といった報道も見ましたが、お金があるかどうかと難民かどうかは、まったく関係のないことです。
――そもそも、難民とは。
紛争や戦争から逃れた人のイメージが日本では強いかもしれませんが、1951年に採択された難民条約では「人種、宗教、国籍、政治的意見などの理由で、迫害を受けるおそれがあり他国に逃れた人」と定義されています。要するに、本国で差別に基づく著しい人権侵害を受ける人が難民なのです。
ただ、人々が国を追われる事情は多様になっており、より幅広い定義や解釈を採用する国もあります。日本では紛争下の無差別な暴力から逃れてきた人々も、難民に準じて保護する「補完的保護」制度が2023年12月に導入されています。
――欧米諸国ではトルコ出身のクルド人の多くが難民として認められていると聞きます。
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